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スノーボード映像の裏側|スノーモービルで行く雪山編

スノーモービルでの移動は“楽そうで実は一番大変”
スノーモービルでの移動って、パッと見は「楽そう」と思われがちですが……
実は、撮影の中でも一番体力を使うんです。

撮影現場までの道のりは、ほとんどがタンデム(二人乗り)。
とはいえ座って乗るわけではなく、二人とも立ち乗りでバランスを取りながら進んでいきます。
運転手はハンドルを握り、後ろの人はハンドル横のバーにつかまって——。
雪面は柔らかく、振動も激しいので、とにかく踏ん張りが必要です。

スタックとの戦い

トップシーズンになると、雪が深くてモービルが埋まる「スタック」が頻発します。
そのたびにスコップで雪を掘り起こして脱出。
これを繰り返すうちに、腕も脚もパンパンになります。
(私が運転下手だったというのも、多少ありますが……笑)

特に厄介なのが片斜の道
雪の付き方によっては、谷側が低くて山側が高い斜面を進むことになり、
常に山側に体重をかけてバランスを取らないと転倒してしまいます。
本当に危ないときは、二人で飛び降りてモービルだけが谷へ落ちるなんてことも。
その後の引き上げ作業は、もう言うまでもありません。

春先のハプニング

春になると雪も緩み、沢の上を渡るときには注意が必要です。
私も一度、雪が薄かったせいで沢の真ん中で雪が抜け、
モービルごと川に落ちたことがありました。
幸い、川が浅かったので私は無傷でしたが、引き上げ作業は本当に大変。
仲間と2台でけん引して、ようやく救出したのを今でも覚えています

また、登山を楽しむ方の横を抜けていくこともあります。
静かな自然の中に、エンジン音と排気ガス……
「ごめんなさい」と思いながら通り過ぎていました。

でも、苦労ばかりではありません。
モービルならではのスピード感と爽快感は格別。
歩けば何時間もかかる場所へ短時間でたどり着け、
途中ではウサギやシカ、カモシカなど野生動物にも出会えます。
そして、登り切った先で見る雪山の絶景は本当に最高なんです。

ナチュラルキッカー撮影

キッカー撮影は、まず「どこから飛ぶか」を決めるところからスタート。
そこに合わせてキッカー作り。これがもう、雪山の土方仕事。
でも、仲間としゃべりながら雪を集めて形作ってくのが意外と楽しいんです。
カメラ回しつつ、撮影ポイントも探しながら準備します。

大事なのは、新雪に無駄な足跡をつけないこと。
撮影する場所を決めたら、リップにいるライダーに雪玉を投げてもらって、

飛ぶ軌道をイメージします。準備が整ったら、いよいよ本番。

一番最初に飛ぶ“ファーストトラック”は、
新雪を一番きれいな状態で飛べる特別な1本。
順番はジャンケンで決めたりもします。
ライダーが飛ぶたびに、ビデオカメラで追いながら、
横ではフォトグラファーがシャッターを切っていく。
誰かが完璧にメイクしたら、次のポイントへ移動して、
映像が被らないよう調整します。ランディングが荒れるまで、
ひたすら撮り続けるって感じです。

そして一番しんどいのがハイク。
ライダーは飛んだらまた自分の足で、
新雪の中をツボ足(スノーシューなし)で登っていきます。
これがめっちゃ大変。
モービル(スノーモービル)があるときは、
飛ばないライダーがみんなを運ぶこともありますが、基本は体力勝負です。

撮影の現場と帰り道

現場に着くと、バックカントリー登山編と同じように撮影開始。
モービルだと荷物を多く運べるので、
カメラ機材に加えて

特殊な撮影道具やコンロなどが

持っていけるのが

大きなメリットでした。

帰りはライダーから板を借りて滑って降りるか、
モービルを運転して下山。下りはスタックが少ない分、ちょっと楽でしたね。

まとめ

スノーモービルを使った撮影は、
一見すると「ラクして山に上がれる」と思われがちです。
けれど実際は、全身の筋肉を使いながらバランスを取り、
雪に足を取られ、スタック(雪に埋まる)との格闘を繰り返す――
まさに体力勝負の現場です。
しかも、モービルは決して軽くないので、
埋まった時の掘り出しや引き上げ作業は本当に重労働。
立ちっぱなしで緊張感のある乗車姿勢が続くため、
終わる頃には脚も腕もパンパンになります。

それでも、モービルでしか辿り着けない場所に行けるのは大きな魅力。
山の上から見る誰も踏み入れていない雪原、
静寂の中に響くエンジン音、そしてライダーたちの歓声。
そうした瞬間に立ち会えるのは、この撮影ならではの特権です。
何より、苦労の先にある“圧倒的な景色”と“やり切った感覚”は、他では味わえません。

スノーモービルでの撮影は、楽そうに見えて実は一番ハード。
でも、その大変さを知れば知るほど、
あの映像の一コマ一コマがどれだけの努力と情熱でできているか、
少し伝わるのではないでしょうか。

“スノーモービル撮影は楽そうに見えて、実は一番体力を使う”
──そんな撮影の裏側を、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

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